日本のお祭りの歴史と変遷

日本にあるお祭りといえば、踊りや美しい風景を楽しむといった娯楽行事としての趣が強くあります。しかし、歴史を紐解くと、日本のお祭りはもともと神様を祀るための神聖な行事であったことがわかります。アマテラスとスサノオらが関係する神話といえば、「岩戸隠れ」です。天の岩戸に隠れてしまったアマテラスを気にする八百万の神々が、アマテラスの気を引くために宴を開き、踊りを始めたことが日本のお祭りの起源といわれています。

お祭りの語源となる動詞の祭るには、神様に供物を奉るといった意味があり、神様への感謝や祈りを捧げる宗教的な儀式のイメージが強くありました。五穀豊穣や平和の願い、そして厄災から早く逃れたいという願いを神様に聞き入れてもらうために、祭礼などが日本全国で行われていたのです。日本国固有の伝統芸能という形で世界中に知られている文化も多く存在し、日本では有名な行事となっている盆踊りや相撲も含まれています。

江戸時代に入ると、神輿や山車、花火などの派手な演出が用いられるイベントが多く開催されるようになっていきました。この時代から、お祭りは娯楽性が強いイベントへと変化を遂げ、大衆文化として発展していきます。明治時代には政府の「神仏分離令」により、仏教から派生していったお祭りが多く消滅しますが、終戦後には日本のお祭りを復興させようという動きが広まりました。戦後を迎えた現代では、平和の象徴としてお祭りが好まれているのです。